皆さんもうお分かりですね。
この植物は、
「ヤブガラシ」でした。
「ビンボウカズラ」なんてありがたくない名前で呼ばれることもあるとか・・・・。
『花びらはいらない、ヤブガラシ』・・・・・・ってどういうことでしょう?
ヤブガラシの花は、午前中に開き午後には花びらは散ってしまいます。
(花びらは、小さな目立たないグリーンです)
午前中の花には花びらがあります。
午後の花には花びらがありません。
オレンジ色のものが花かと思っていましたが、このオレンジ色は花びらの散ったあとの
花盤で、ここに蜜がたまっているので、小さな虫たちがたくさん集まってきます。
ミツバチなどは、この時間を知っていて仲間に教えあって蜜集めにやってくるそうです。
写真を撮った時も、やけに虫たちが集まっているなと思ったものです。
(虫がとまっているのがわかりますか?)
つる性植物で、風にゆらゆら揺れるところは赴きがあってとても雰囲気がいいのですが・・・
このヤブガラシの成長力はすさまじく、油断するとあっという間に
大きな木を覆い尽くしてしまうほどです。
(これはヤブガラシの木ではありません。ヤブガラシ覆われた木です。)
『ヤブガラシ』なんて迷惑そうな名前がついたのも、頷けますね。
こんなかわいそうな名前をつけられてと、同情してしまいますが、ぬいてもぬいても
地下茎がほんのわずかでも残っていれば、ところかまわず芽を出す逞しさには、
そんな同情は必要なさそうです。
私も、松本にいるときは、裏庭で、このヤブガラシを出てくるはじから
引っこ抜いていました。
だから、花を見たことがなかったのです。
東京に来て、「かわいらしい花のついたこの植物は、いったい何?」
そう思って調べてみて、「ヤブガラシ」に行き着きました。
そんな訳で、ついつい花のかわいらしさに引かれて、刺繍に取り上げてしまいました。