レンゲソウ
以前、一面に花の咲いている風景が大好きだといいましたが、
それは子供の頃、見渡す限りのレンゲソウの田圃の中を
かけまわった思い出が、原点かもしれません。
学校帰りに、(田舎の小学校で、学校までかなりの距離がありました)
レンゲソウの田圃に入ってピンクと白のレンゲソウの花の中から
白一色の花を探し回ったり、男の子と一緒になると、帽子でミツバチを
捕まえたりと、随分道草をして帰ったものです。
一面のレンゲソウが、田圃から消えて久しくなります。
今では、田舎へ帰って何処を探してもレンゲ田は見当たりません。
もうレンゲソウには、会えないものとあきらめていたのですが・・・・
ところがなんと、東京のこの都会でレンゲソウを見つけたのです。
芝生があり、綺麗に手入れされた庭のあるお宅がありました。
フェンス越しに見て、赤紫色の花が一面に咲いていて、どうも
レンゲソウの雰囲気が見えました。
近寄ってみると、なんと
芝生の一角にレンゲソウが植えられていたのです。
芝生の庭にぴったり合って、とても素敵でした。
思わずカメラで、写真を撮らせてもらいました。
(撮影日は4月7日…今はすっかり花は咲き終わっています)
レンゲソウを見て、子どもの頃の思い出が広がりました。
刺繍をしてみて、娘達に「どう?レンゲソウの雰囲気、出ている?」と
きくと、「うーん」と気のない返事。
「だって、レンゲソウってものをよく知らないから。」・・・
そうか、レンゲソウをみつけたと懐かしがるのは、
私達の世代の人間くらいなものかと、時の流れをしみじみと感じたのです。
レンゲソウの刺繍
左右のポケットに少し図案を変えたものを刺繍しました。
葉は、葉脈を一本ずつさして雰囲気を出しました。
花は大小とりまぜて。
野の花をいくつかエプロンに刺繍しているうちに
あたりはすっかり初夏の様相なってきました。
青葉が、光り輝いています。風薫る5月ですね。
このあたりで、ひとまず野の花エプロンシリーズはおしまいです。
長い事お付き合いありがとうございました。